リクルートキャリアの「日進月報」によると、2018年の女性エンジニアの転職決定者数の伸び率は、2009年と比べると4.75倍になっている。その内、35歳以上の転職決定者数は約9.5倍だ。この結果で、経験も実績もある女性エンジニアの需要が高まっていることがよくわかるだろう。
女性エンジニアの転職が増えているのは、2016年に施行された女性活躍推進法とも関係があるのだ。同法では、企業が自社で働く女性の活躍に関する状況を知り、分析を行うことを義務としている。また、課題解決のための行動計画を提出、自社の女性社員がどのように活躍しているのかなどの公表も必要だ。
2022年の4月と7月には改正が行われ、現在は常時雇用している労働者数が101人以上の企業が同法の対象となっている。常時雇用している労働者数が301人以上の企業に対しては、情報公表の項目が付け加えられているのだ。
女性の働く環境を整えることに力を入れている企業は、「えるぼし認定」や「プラチナえるぼし認定を」を受けられるため、企業のイメージアップにもつながる。IT人材は不足していおり、女性エンジニアを雇用することで人材不足の解消も図れるだろう。
女性エンジニアの活躍により、女性は論理的思考が苦手でITエンジニアには向かないという偏見はなくなりつつある。論理的に考えることはもちろん、エンジニアとして大切なコミュニケーション能力に長けている女性も多いのだ。